無知の不動産営業マンから=高気密高断熱住宅への道のり=その2

前回の続きで平面図、立面図だけで家が完成してしまう不思議な仕組みの世界で

その答えは当時出入りしていた工務店の下小屋(木材を加工する作業場)で知ることになった。

現場が好き通っていたら棟梁に気に入られ20代の若造を下小屋に遊びに来てもよい言われすっかりその気になって行ってみると

設計士じゃなくて棟梁が図面を書く?


小屋には木材が積まれてその傍らにはべニア板に直接、墨でマス目に書かれたへんな図面っぽいものが目に入った。

「これは何ですか?」と聞いたら「次の現場の板図だよ」と聞かされた。

板図とは大工さんが工務店や設計事務所から渡された図面を基に柱、梁、土台に

墨付けと言う加工する線引きををするために先駆けて自分で書く「加工図」だった。

自分は大工さんが図面まで書いていたのか・・・驚いた。

どうりで平面図と立面図だけで家が建ってしまう訳を知ったんです。

でも作図ミスしても線引きミスしても加工ミスしても木材を現場で組んでみないと分からないらしい。

現場で上棟するときに答え合わせをして完璧か、間違いがあるのか判明するので間違うと当然上棟できず

恥をさらすことになるかもしれずや棟梁も緊張するのが上棟とも聞かされた。

「ミスったりしないのですか?」という質問に「それは無い」と親方よろしくドヤ顔で言い切った後に

「たま~にやらかす(笑)」言っていましたけどね(笑)

ホゾの向きや柱の長さが足りなかったりとその時は臨機応変に仮組で後から差し替えたり、現場で加工して対処したり

しかし、修行しなければ絶対に出来ない仕事っぷりに大工さんの仕事とは崇高な仕事だと感じた。

昨日今日、DIYで大工仕事する輩の俺とは大違いだ。

今ではそのような手で墨付けや加工するのは寺社仏閣やそれに近い住宅に限られて

その後まもなく在来木造建築の世界にもプレカットと言う柱や梁の仕口を工場のラインで自動加工する時代が訪れて

墨付けはおろか大工さんが板図を描くことがなくなった。

均一な高精度と省力化の時代がやってきた。